僕が金融マンになった理由

僕は若い頃、とある運送会社に勤めていたんだけど、当時は今みたいにコンプラがキチンと整備されている時代ではなかったんで、中元歳暮の繁忙期なんかは朝7時に出社して深夜0時過ぎまで仕事。

 

更に通勤時間は車で片道40分くらいだったんで、実際、家に帰ったところで何すんの?って感じの激務だった。

 

そういう生活を続けていたある日、僕はふっとトイレでこう思ったことをよく憶えている。

「なんだか・・・仕事の合間に生活しているって感じ・・・」

 

で、僕はこのままでは死んでしまうわと思って会社を辞めたんだけど、ハローワークの人が僕の退職理由は自己都合とは到底思えないみたいなことを言い出して、なんだかすぐに雇用保険がもらえるように手続きを進めてくれた。

 

それからハローワークの担当者さんにお手伝いしてもらいながら就職活動をすることになったんだけど、何か希望はありますか?と聞かれたので、「土日祝祭日にきちんと休んでみたい。毎日じゃなくても良いから、晩御飯を家族と一緒に食べられる時間に帰ってみたい。後は、出来るだけ給料も多い方が良い。」と伝えた。すると出てきた求人票は

長尾
「武富士」「アイフル」「アイク」「エルピス」「レイク」「三洋ファイナンス」「プロミス」・・・・なんだこれ?

 

当時は僕はかなり純粋だったから、これらが何の会社だか全然知らなかった(笑)

 

担当者さんは、全て消費者金融業ですね・・・どうされますか?みたいに僕の意思を確認しようとしてたみたいだけど、僕の提示した条件は全て満たしているし、しかも

 

長尾
給料メチャ高ぇえええ!!!(¥▽¥)もう、行くっきゃないっしょ♪

 

みたいな感じで連絡を取ってもらうと、どの会社もすぐに面接に来てくださいという好感触!!

 

亡くなったばあちゃんからは、仕事は転職する度に給料が下がるんだから絶対に辞めてはダメだと言われていたんだけど、給料跳ね上がっちゃっうよ、おい・・・

 

そして指定された会社に着くと、なんだか狭いビルの端っこの薄暗い階段を上がって行くように看板が出ていた。

 

この入口、怖すぎるだろ・・・どう考えても・・・

ほんの少し、やっぱ止めよかなと思ったんだけど、折角なんで1社くらいは面接してもらおうと息をのんで階段を上がっていった。

 

すると、店内は割と明るい雰囲気で、対応してくれた女性も普通だし、奥に座ってた男性も銀行員かなと思うようなさわやか系だった。

 

で、いよいよ面接が始まったんだけど、何か聞きたいことある?と言うので、

 

長尾
給料いくら?

 

と答えると、奥からちょっと怖そうな男性がやってきて僕にこう言った。

 

「君の天職はサラ金だよ!いつから来れる?」

 

は?

長尾
それって、合格ってこと・・・だよね。。。

 

こうしてものの数分であっけなく内定をもらってしまった。

 

しかし、こんなに簡単に決まっちゃうと少し拍子抜けすると同時に人間って欲が出るじゃん、
もうちょっと給料もらえるところないかなーみたいな^^;

で、今度は別の消費者金融に面接に行くと、まさかのここでもリーチ一発ツモ!

 

あっと言う間に2社から内定をもらってしまった。

 

就職活動って、楽勝じゃーーーん♪みたいな気持ちで家に帰ると、その2社から僕はいるかと電話がかかってきていたらしく、じいちゃんとばあちゃんが「正博(僕)がサラ金に追われとる!」みたいなことになって大騒ぎだったという。

 

当時はサラ金バブルという時代だったんで、どこの消費者金融業も人手が欲しかったみたいだ。最終的には、僕は外資系の消費者金融に勤めることになった。

 

そこで僕は、普通の人生では絶対に見ることのないウシジマ君の世界のような経験を積み重ねることになった。

お金って、怖いなーと一番感じたのもこの頃だ。

 

金の為に人は死ぬ・・・それを身をもって経験してしまうと、正直、普通の人よりもお金に対する恐怖心は大きくなるんだと思う。

 

実際、僕はそうだった。

 

だけど、お金が怖くて金貸しが出来るわけもなく、当時の僕は融資業務が弱くて悩んでいた。

 

そんな時、僕に「君の天職はサラ金だよ!」と半ば強引に入社を決められたような課長から言われた言葉を今でもハッキリと憶えているんだけど、

 

「いいか、長尾さん(なぜか、さん付けで呼ばれてた^^;)!俺たちの仕事はゴミ箱に手を突っ込んでいるようなもんだ。10回手を突っ込んだら9回はゴミを掴む。だけどな、1回でも100円玉や500円玉が掴めればそれで良い。だから遠慮せずに貸して貸して貸しまくれ!」

 

その時、僕はその上司を「カッコイイ!!!」みたいな、訳の分からない尊敬のような気持ちが溢れてきて、それから僕は「もー知らん!どうにでもなれ!」みたいな気持ちでバンバン貸しまくれるようになった。

 

元々、僕は回収が得意だったので、こんな人に貸して大丈夫か?というような人でも、意外と回収できるもんだなーということに気が付いた。

 

何かを始める前から不安なことばかり考えて、何にも出来ない人っているよね。

 

要は、僕もそれだったわけだ。

 

それを教えてくれたのがその課長だった。サラ金って、めっちゃ厳しい会社で、怒鳴られたりもしたんだけど、僕の仕事に対する姿勢をキチンと正してくれたのもサラ金の仕事だったと感謝している。

 

どのくらい酷かったかというと、毎朝課長から電話がかかってきて、普通は支店長に今日一日の目標や連絡事項を伝えるだけなのに、なぜか僕が勤めていた支店では支店長の次に僕に代われと言われて、

 

課長「長尾さん、今日はいくら貸すんや」

僕「100万目指します」

課長「ひゃくまん~~~?それで貸した言えるかぁあああ!!!」

僕「ちっ!じゃあ200やりますよ!」

課長「よーーーし!その代わりちゃんと回収できるようにしとけよ!ガチャ!」

 

あの野郎・・・なんか俺に恨みでもあんのかよ、ボケが!と僕も受話器を叩きつける度に、先輩だった女性のスタッフがいつも「長尾さん、コーヒーどうぞ♪」と灰皿と一緒に(当時は僕、たばこ吸ってたんで)持ってきてくれていた。

 

後で解った話なんだけど、課長は僕を最短で支店長に育て上げようとしてくれてたらい。

 

「君の天職はサラ金だよ!」ね・・・妙な期待を背負ってしまったもんだわ。。。

 

しかし、今でも時折、そのやかましい上司の言葉を思い出す。

 

そしてその度に、あの頃、課長が言いたかったことはこういうことだったのか!と、今更ながらに気が付くことが多いんだけど、そうやって思い出される人って凄いよね。

 

僕は、今でもその人の背中を追っているのかもしれないね・・・


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ndustry4.0に非常に興味を持ち、フィンテックからアプローチしています。本業は会社経営、投資家、太陽光発電事業等多岐にわたります。